見取る
ルークたちがバチカルに到着すると、城へ向かう途中でルークは二人の男が向き合っているのが見えた。 「な、なんだ!?おまえは一体誰だ!く、来るんじゃない!」 「何をしているんだ、やめろ!」 突然片方の男が一方的に男を殴りつけた。ルークはすぐに倒れた男に駆け寄る。 それを見た男は目を見開いた。 「あ、アンタ!そいつは化け物だ!触るんじゃない!」 「はぁ?化け物って……」 眉を顰めたルークに男は切迫した様子で追い縋る。 「本当なんだ!そいつは二週間前、預言を詠んでもらった帰りに死んだ俺の親友だ!いや、あいつは死んだんだから、そいつは偽物だ!だがそっくりなんだ」 「レプリカか……」 ルークが暗い表情で地面に目を這わせる。ナタリアは男性に言う。 「落ち着きなさい!この方は化け物などではありませんわ」 「と、とにかく!そいつは変なんだよ!」 男はその場を走って逃げていき、姿が見えなくなった。 そしてレプリカはふらりと立ち上がり、ブツブツと何かつぶやく。 「れむ……れむのとう……」 それを何度も繰り返しながらレプリカはその場を去っていく。 逃げて行った男とは逆の方向へ歩いていた。 ルークはその言葉が気がかりで、眉を寄せた。 「レム……。レムの塔って…何なんだ?」 「魔界に昔からある塔よ。創世歴時代に、外殻大地計画が失敗した場合を想定して、別の星へ行く為の塔だったと聞いているけど」 ティアがルークの疑問に答える。ルークはその答えを聞いて驚いた。 「ほ、他の星!?そんなことできるのか!?」 「当時としてもかなり無謀な計画だったと聞いているわ」 ルークは空も飛べない今じゃこの計画はさらに夢のまた夢になっているんだろうなと思いつつ、城へ足を進める。 城の前に到着すると、そこには人だかりができていた。 モースの演説を聞いた人々が城の前に押し掛けて叫んでいる。 「新生ローレライ教団に救いを求めろ!」 「預言を順守しろ!」 「魔界なんてごめんだよ!元の外殻大地へ戻しとくれよ!」 それを見たナタリアが住民に駆け寄った。 「お待ちなさい!落ち着きなさい!みんな、落ち着いて……」 「うるせぇ!」 「ナタリア!」 声を聞いた一人の住民がナタリアを突き飛ばし、ルークが声をかける。 ナタリアは立ち上がり、声を上げた。 「静かになさい!私はナタリア!ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアです!私の愛するキムラスカの民よ、どうか落ち着いて、わたくしの話を聞いて下さい」 「ナタリア様!このままでは滅んでしまいます!」 モースの言葉を真に受けた住民たちが救いを求める様にナタリアに目を向ける。 ナタリアはその一人一人の不安に落ち着いた様子で答え、勇気づけていく。 「預言を守らないから、こんなことになったんだ!」 「預言って守るものなのか?守らなければ外れるようなものが預言なんておかしいじゃないか!預言は決定された未来じゃない。未来の可能性の一つなんだよ!」 ルークも住民を説得すべく声をあげれば、住民たちのざわめきが引いて行く。 「お願いです。もう少しわたくしたちに時間を下さい」 「……ナタリア様、信じていますよ」 「レプリカってんですか?得体のしれない人間もどきがうようよして、俺たちの住処を荒らしやがる」 「!」 ルークはその言葉に目を見開いた。しかし気付かない住民たちは必死に訴える。 「あたしたちは、ただ普通に暮らしたいだけなんですよ」 最後にそう言った住民たちは暴動を治めて、その場を去っていく。 ルークは住民たちが居なくなった後、呟いた。 「人間もどき……か……」 「ルーク。彼らは気が立っているだけよ。落ち着いて事態が分かれば……」 「いいんだ!……いいんだ」 ルークはティアの声を突っぱねる様に口にし、最後には項垂れた。 それを不安げに仲間たちは見るが、ルークはインゴベルトの元に向かおうと声をかけ、そちらに向かう。 謁見の間に到着すると、インゴベルトは帰ってきたばかりのナタリアに目を向けた。 「おお!ナタリア!モースは一体どうしてしまったのだ?」 「わたくしたちもそれを調べております」 ナタリアが凛然と返すが、インゴベルトの表情は晴れない。 「こちらとしては迂闊に逆らうわけにはいかぬ。無論モースに従うつもりはないが、市民たちの預言への信頼は高い。王室が跳ね付けた所で先程のような暴動が起きる可能性もある」 「……くそ!」 キムラスカの住民たちは預言に依存している。 それは王家ですらそうだったのだから当然と言えば当然なのだが、ルークたちの預言を失くすという道を阻んでいる。 モースの言うことに従わなければ先程のような暴動がまた起き、城が危なくなるだろう。 半ばどうしたらいいんだという気持ちでルークは顔を伏せた。 その横でアルバインが別の問題を取り上げる。 「レプリカの件に関しても、陛下は頭を悩ませておいでです。今のところ確認されたレプリカの数こそ少ないものの、街の治安が乱れております。難民として処理するのに数が少ないのが救いですな」 「だが、中には葬式の途中にレプリカが現れて、大混乱の挙句死傷者が出たという話もある。食料も無尽蔵ではないしな。レプリカには頭が痛い……」 「…」 黙って顔を俯けたルークにインゴベルトははっとした。 「……おお、ルーク。おまえのことではないのだ。気に病むな」 「陛下。私はさっそくマルクト大使に面会し、あちらとの連携を図ろうと思います」 「うむ。任せたぞ」 アルバインがインゴベルトに進言し、インゴベルトは頷く。 ナタリアは預言の事で話し合いができそうだとインゴベルトにいい、インゴベルトはそれにほっとし、新生ローレライ教団に進軍を提案するつもりだとも言葉を加えた。 ピオニーも全く同じような事を言っていたので、両国の足並みは揃っている。 これなら大丈夫だとルークが思っているとインゴベルトはレプリカ問題でやはり悩んでいる様子だった。 何も知らないレプリカを捕えて良からぬことに利用しようとするものや、言葉が通じないレプリカに頭をかなり痛ませているらしい。 レプリカの現状を聞いたルークはますます表情が暗くなっていく。 「とにかく、まずは会議だ。我が国としての統一見解をまとめる為、側近たちを招集する。話がまとまるまで、おまえたちはファブレ公爵の屋敷で待ちなさい」 「……お父様!わたくしも参加させて下さい」 「……よかろう」 インゴベルトは迷った様子だったが、ナタリアの強いまなざしを受けて許可する。 「ナタリア、頼むぜ」 「ええ」 ルークがナタリアに声をかければ、彼女は心強く頷いた。そしてルークはインゴベルトを見る。 「それと陛下、例の件でご報告があるのですが……」 「! ……後ほど私の部屋に来るように」 「わかりました」 ルークはその場を後にし、インゴベルトの私室へと向かう。 そこでケセドニアで聞いたことを説明し、ラルゴがナタリアの父親であるという可能性が高いといった。 敵に父親がいると判明したインゴベルトはかなり迷った様子であり、頭を押さえている。 「どうしたらいいのだ……。もしも新生ローレライ教団と前面衝突ということになれば、あの子は実の父親と戦わねばならぬ」 「まだナタリアはこのことを知りません。このまま知らせないという方法もあります」 ジェイドは一つの道を提示した。だが、それにルークは頭を擡げる。 しかしアニスは言う。 「本当の事を知るだけが幸せとは限らないもんね……」 「そなたはどうだ?ルーク、どう思う?」 インゴベルトは顔を俯けたルークに目をやった。ルークはその目を受けて、顔を上げる。 「俺は……自分がレプリカだって知った時、そんなこと知りたくなかったって……悲しかった。だけど……薄々自分が自分で無いことにも気づいていたから。何も知らされないままだと自暴自棄になってたかもしれない。俺とは状況が違いすぎるけれど、俺は……知っていた方がいいんじゃないかって思います」 「……後で真実を知った時が辛いものね」 ティアがルークの言葉に頷いた。それを聞いたインゴベルトは悩んだ様子で言う。 「そうだな……。考えさせてくれ」 「はい、陛下」 ルークたちは城を後にし、ジェイドは城を出た所でルークたちに声をかける。 「私もこの時間を利用して、マルクトの総意をまとめるよう皇帝陛下に進言してきます。あ。アルビオールはお借りしますよv」 「分かった。そっちは頼むな」 ルークはジェイドにそう答えると、彼は颯爽とその場を離れていく。 そしてその場にルークとイオンとアニスとティアの四人が残り、ルークは考え込んだような顔をしている。 「ルーク。陛下がおっしゃっていたように屋敷に戻りますか?」 「…ああ、そうだな」 気のない返事を返すルークにティアは首を傾げる。 「ルーク。どうしたの?」 「うん。ルーク変だよ。なーんか考え込んじゃって……」 アニスがそうルークに言ってもルークの表情は暗いままだ。 そしてルークは城に近づく人影に気づいた。 「アッシュ!」 「レプリカ。お前に話したいことがある」 アッシュはそういいつつ、ルークに歩み寄ってくる。 それを見たルークはこれはいい機会だと思った。 先程虐げられるレプリカやレプリカの事で頭を悩ませるインゴベルトを見てルークは痛感したのだ。 屋敷にいる連中たちは、ルークの帰りを待っている。 こんな偽物の自分ではなく、アッシュの帰りを待っているのだ。 アッシュが城の前までやってくるとは都合がいい。ルークの屋敷は城とは目と鼻の先なのだ。 アッシュを無視して走り出したルークにアッシュは額に青筋を浮かべる。 「おい!レプリカ!どこへ行くつもりだ!?」 「俺は自分の家に帰る!話があるんだったら屋敷に来い!」 「なんだと!?」 「俺は屋敷じゃないと、話は聞かないからな!」 ルークはそれだけ言って走っていく。 アニスたちは突拍子もないルークの無理矢理アッシュを屋敷に連れ戻そうとする作戦に驚きながらも後を追い、その場に残されたアッシュは舌打ちする。 そしてのろのろと屋敷に向かって歩いて行く。 屋敷のエントランスでルークたちはアッシュを待っていた。 アッシュは苦虫を潰した顔をしつつ、エントランスに入ってくる。 「二度とここに、戻ることはないと思っていたがな」 「アッシュ、ローレライはどうだった?」 ルークは屋敷で無いと話を聞かないといっていたが、先程の様子と変わったルークに少しアッシュは眉を寄せた。 それでも一々腹を立てては進めない為、ルークの質問に答えてやる。 「ローレライとは繋がらなかった。やはりヴァンの中に取り込まれ交信不能にされているんだろう」 「それじゃあローレライの宝珠がどこにあるかは……」 「分からない。だが、ローレライは地殻からセフィロトを通じて鍵を流した。おまえが受け取っていないなら、セフィロトのどこかにたどり着いている筈なんだ」 「だけど、セフィロトはアッシュが探したんでしょ?もしかして探し損ねてるとか」 アニスがアッシュの見落としはないのかと言えば、アッシュはルークを一瞥する。 「俺はそんな間抜けじゃない。こいつじゃあるまいし」 「どういう意味だ」 ルークがアッシュを睨めば、ティアが説明する。 「剣と宝珠は反応し合うそうだわ。見つけられないはずはないと思うけど……」 「宝珠が見つからなけりゃ、師匠たちの思うつぼなんだよな」 「ちっ。八方塞がりか……。街の奴らもレプリカのせいで新生ローレライよりだしな……」 「……」 ルークはその言葉に目を伏せる。するとアッシュが踵を返すのが見えた。 「ま、待てよ!」 「話は終わった」 「俺は終わってないっ!後十分、いや五分つきあえ!」 「は、放せっ!」 ルークはアッシュの腕を掴み、アッシュは振り払おうとする。 それを見ていたイオンが口を開いた。 「アッシュ。僕からも頼みます。」 「導師イオンの言うことをオラクル兵の一人であるアッシュは聞かなくちゃだめでしょ!」 「……ちっ」 アッシュは不服ながらも、イオンに従う。 ルークはアッシュをファブレ公爵夫妻の私室へと連れて行く。 そこでシュザンヌはアッシュを見るなり目を見開いた。 「ルーク!……ルーク!?」 「……おまえは!」 クリムゾンも目を丸くし、アッシュを凝視する。 アッシュは黙ったままであり、ルークは二人に言った。 「……父上、母上。本物のルークを連れてきました」 「貴様!何を考えて……」 「俺たち、外にいますから!」 ルークはアッシュを残し、退室する。 アッシュは気まずい様子で黙っているとシュザンヌがアッシュに駆け寄った。 「ルーク!ルークなのですね!」 「……ご、ご無沙汰しています。母上」 「オラクル騎士団にいたのか」 「はい……」 辛うじて母に返せば、父がじっとアッシュを見ている。すると父は少し目元を緩めた。 「……大きくなったな。ルーク」 「父上……」 その優しげな表情にアッシュは驚いた。 そしてここは自分の場所ではないことに気付いてしまった。 ここは最早、あのレプリカの場所でしかない。 アッシュは両親を見て、そう悟ったのだ。 部屋から退室したルークは自室に入っていく。 アニスたちもその後を追い、ルークの自室を見回す。 ルークはベッドに腰掛けて、溜息をついた。 疲れ切ったルークの横顔を見て、アニスは肩を竦める。 「なるほどね。パパとママをアッシュに会わせるってことだったのか」 「でも、ルーク。よかったの?あなたはアッシュが顔の家に来るのを……」 ティアがその先は言えず、黙ってしまう。ルークはそれに肯定した。 「……怖がってた。その通りさ。だけど……俺はやっぱりレプリカだし……あいつは本物だし。いつかいらないって言われるなら……」 「ルーク…」 イオンが痛みを走らせ、ルークは体勢を変えようとベッドに手を這わせた。 すると手に何か当たる。良く何も見ないで座ったルークはその固い何かにやっと気付く。 「…なんだこれ…?」 「何それ?」 ルークが腰かけていた所為でアニスたちの位置から見えなかったが、ルークは白い布で包まれた何かを持ち上げる。 固く球状なそれをルークは手にとって、布を取る。 「これは…まさかローレライの宝珠!」 「え…!?」 声を上げたイオンにルークは驚いてしまう。 しかしイオンはその球体をじっと見てやはりそうだと口にする。 「間違いありません。これはローレライの宝珠です」 「でもなんでこんなとこにあるんですかぁ?」 アニスが疑わしそうに言えば、ティアもそれに頷く。 「それに白い布に巻かれていたわね。誰かが持って来たということかしら…?」 「……」 ルークは以前ガイが部屋にやってきたことを思い出す。 あの時ガイは何かやっていなかったか。 そう考え込んだルークにアニスは声を上げる。 「あ!ルーク。膝のとこになんか落ちてるよ!」 「……これは…、手紙?」 包まれた白い手紙は球体と共に布で包んだせいで湾曲していた。 ルークはその手紙を手に取り、便箋を戸棚にしまっておいたペーパーナイフで破り、中身を取り出す。 そこに書かれていたのはたった一文だけだった。 『ヴァンを倒す為に宝珠は必要だ。それを使え』 アニスは達筆なその文字をじっと見ていて、ぼやいた。 「その文字ってまさか…伯爵様のじゃない?」 「……確かにガイの文字に似ていますね」 アニスの言葉にイオンが頷く。 付き合いが結構長いというからルークよりは見慣れているのだろう。 「ガイが宝珠を見つけてたから、アッシュが探しても見つからなかったんだな」 「でも彼の目的が分からないわ。それにこれは本当の宝珠なの?」 確かめようがないですね、とティアの言葉にイオンが呻く。 そこへ扉が開かれた。急に開かれてルークたちは身構える。 「俺はもうルークじゃない。この家にも二度と戻らない。分かったな、劣化レプリカ」 「アッシュ!丁度いいところに!」 ルークが顔を輝かせていえば、不機嫌だったアッシュは瞬く間に訝しい顔つきになる。 「な、なんだ?」 「これ、本物の宝珠なのか確かめてくれよ」 「宝珠が見つかったのか!?」 アッシュは驚いたがすぐにルークの持つ宝珠らしいものを見ると、ローレライの剣を向けた。 お互い淡い光を放ち、反応し合っている。アッシュが剣を離すと、光が収まった。 「……これをどこで見つけたんだ?」 「実は……」 ルークから事実を聞いたアッシュは、あの野郎と顔を顰めた。 思えばガイはアッシュの邪魔ばかりしてきている。 あの腕輪にしてもそうだと苦虫を潰しているアッシュの横でアニスが溜息を吐く。 「はあ〜。でも伯爵様の目的って一体なんなんでしょうね?グランコクマにも一度も帰ってきてないって大佐が言ってましたよ?」 「アニスを利用するって言った割に、全然してこないんだもんな。拍子抜けしちまうよ」 結構アニスを当てにしていたルークはついそんなことを言うと、アニスはむすっと頬を剥くらませた。 「それって私が能無しって言いたいの?」 「別にそんなこと言ってねーだろ」 「…もしかしたら彼はアニスとの接触はもう考えていないんじゃないかしら?別に仲間がいるのか、それとも自分でやった方が早いと考えているのかもしれないわね」 「それは一理ありますね。一人で島を破壊したんでしょう?今回宝珠を渡したのも一人でやったと考える方が妥当だと思いますし、ガイはもうアニスに頼るつもりはないんでしょうね」 ティアの言葉を聞いて、イオンが明言する。 それを傍から聞いていたアッシュは要領が得れず眉を顰めた。 「一人で島を破壊…?一体どういうことだ?」 「リグレットたちの隠れ家である島をガイが爆破させたみたいなんだ」 アッシュはそれに驚き、一番の不思議に思っていたことをルークに訊ねる。 「確かあいつはお前の仲間だった筈だろう?今はどうしたんだ」 「それが……」 「あんな最低な奴、とっくに仲間じゃなくなりましたよぅ!」 「アニス…」 アニスが口を尖らせ、イオンが諌める様に言う。しかしアッシュはそれを聞くと鼻を鳴らした。 「ふん。あんな得体の知れない奴を仲間にしておく方が悪ぃんだ」 「アッシュ!待てよ。何処に行くんだ?」 「おまえには関係ない!」 アッシュはルークの制止を聞かずに出ていく。 そしてルークは手の中にある宝珠に目を落とした。 茜色の宝珠の中には譜陣が描かれている。 (ガイ……。おまえはやっぱり敵なのか……) 助力してくれるのはヴァンが邪魔だというのが一致しているからだ。 頭ではそれが分かるのだが、ルークはどうしてももう一度信じたい。 けれどアッシュに気付かされてしまった。 怪しいと感じながらも仲間にした結果、ティアの体は取り返しのつかないことになった。 もしまた仲間の命が危険にさらされたらどうすればいいのだ。 ルークは複雑な思いで宝珠を見つめた。 あとがき この話のルークはいつも自分の都合のいいように解釈する傾向があります。つまり見通しが甘いんです。 屋敷にやってきたガイが親しげだと自分もそれに流れちゃうっていう可哀想な感じです。 でもアッシュに気付かされて、ルークは悩み始めます。 仲間にも非難されてたのになんでこの時になってという感じですが、みんなはガイのやったことを忘れたの、という責め口に対し、アッシュはそんな馬鹿を信じた結果悲惨の目にあったのは自業自得という新たな責め口だった為です。 自分が信じた結果、ガイは裏切った。ならば信じない方がいいことにやっと気付いたルークです。 |